第56回 霞ヶ浦クリーン大作戦 「53 Pick Up!・春の陣」レポート

■ 日時:2025年5月11日(日)
■ 場所:茨城県土浦市大岩田1051 霞ヶ浦文化体育会館前
■ 清掃場所:霞ヶ浦全域
■ 参加者数:326名
(一般289名、中高生10名、小学生20名、未就学児 7名)
■ 回収処理したゴミの量:1,300kg
第56回霞ヶ浦クリーン大作戦「53 Pick Up!・春の陣」が2025年5月11日(日)霞ヶ浦総合公園文化体育会館前を会場に開催されました。
2005年に茨城県により特定非営利活動法人として認証されたことで名実ともに設立された水辺基盤協会。今年は創設20周年を迎えています。そして創設前から釣り人により始められた清掃活動は「53 Pick Up!」と名付けられ、霞ヶ浦においては56回目を数えるに至りました。
近年、水辺基盤協会は霞ヶ浦の生き物を増やし元気にするため、様々な取り組みを行っており、今年になって国土交通大臣認定の手づくり郷土賞、日本水大賞の環境大臣賞を受賞しました。これらの受賞理由の一丁目一番地が53 Pick Up!による水辺の清掃活動であることは、疑う余地はありません。
創設20周年目の清掃活動も行政の後援、民間企業の協賛を数多くいただきました。そして今回協賛いただいた53キャップは、釣り人の有志である「釣り人が居れば水辺は綺麗になる」によるもの。20周年目に、釣り人が始めた53 Pick Up!を釣り人により支援いただいたことは、とても象徴的で原点的な意味を感じます。
今回の「53 Pick Up!・春の陣」には、霞ヶ浦を憂い、霞ヶ浦の明るい未来を信じる多くの方々にご参加いただきました。326人の参加者の皆さんの想いが、前日の雨模様を粉々に吹っ飛ばし、「53 Pick Up!日和」とでも言うような素晴らしい晴天をもたらしてくださった、と私は思っています。本当にたくさんのご参加、ありがとうございました。
「53 Pick Up!」は参加者からゴミの処理費用、傷害保険料として参加費を頂戴しています。ゴミ処理費用がその後どのように使われるのか、今回追跡してまいりましたので、少しだけ後述させていただくことにしましょう。
受付で参加証、20周年記念ステッカー、ゴミ袋セットを受け取ったのちは、皆さんが思い思いのエリアへゴミ探しの旅に発進します。GoogleMapのデジタルトレジャーマップの活躍もそこにはあったと聞き及びます。
「53 Pick Up!」の名物の一つが、ゴミ集積のコンテナ前に並ぶ帰着の車の列です。参加された皆さんは、皆さんの大切なマイカーに、この誰が捨てたともわからない霞ヶ浦のゴミを積み込んで帰ってくるのです。霞ヶ浦を愛する皆さんの、霞ヶ浦への想いの大きさや、深さを垣間見られるシーンは、毎年運営する私たちの胸を熱くさせてくれるのです。
霞ヶ浦の湖岸からコンテナへ積み込まれたゴミの総量は1,300kgでした。1,300kgといえば、普通自動車1台分ぐらいの重さになります。霞ヶ浦から車一台を引き上げたと思えば、なかなかの結果と言えるのではないでしょうか?
午前11時ゴミ拾い終了後、集合写真の撮影です。300人を超える参加者の集合写真は実に見事ですが、その様子を撮影する撮影部隊の皆さんも、実は撮影される側から見られる、なかなかの名物だったりします。
そこから国土交通省霞ヶ浦河川事務所長中﨑薫様、国土交通省霞ヶ浦導水工事事務所長 阪本敦士様、霞ケ浦環境科学センター環境活動推進課課長 與沢知洋様からご挨拶をいただき、衆議院議員 国光あやの様、そして「釣り人が居れば水辺は綺麗になる」の発起人様からお寄せいただいたメッセージを参加者の皆さんへ伝えさせていただきました。
今回は、NPO水辺基盤協会の20周年ということで、水辺基盤協会の活動に長年のご協力をいただいている高橋建設株式会社様、そして各地の「53 Pick Up!」を支える鈴木克昌様(長良川下流53 Pick Up!)、藤根銀二様(三河湖・入鹿池53 Pick Up!)、齋藤匡宣様(山中湖・丹沢湖53 Pick Up!)、蛯原英夫様(牛久沼・小貝川下流53 Pick Up!)、村川勇介様(大山53 Pick Up!)へ感謝状が贈られました。
最後に、水辺基盤協会が受賞した国土交通大臣認定の手づくり郷土賞、日本水大賞の環境大臣賞に関する報告と合わせ、協力してくださる皆様への感謝を伝えさせていただきました。
次いで軽食のおにぎりを配布、お楽しみ抽選会、アンケートの収集があり、その後に流れ解散となりました。
今回、会場には霞探R・わんにゃんプロジェクトさんによるフリーマーケット&わたあめコーナー、開発クランク・JITTERBUG BOY・江戸物のチャリティー販売の他、釣りゲーム「つりつりポン!」で、いつもに増して盛り上がりを見せた一日となりました。
また、最後の最後に各地の「53 Pick Up!」の代表者が集まっての座談会は、それぞれの「53 Pick Up!」の心意気他、過去、現在、未来の日本の水辺を護る活動に関する活発な論議、意見交換が行われました。
こうして気持ちいい晴天の中、第56回霞ヶ浦クリーン大作戦「53 Pick Up!・春の陣」を無事に終了することができました。
今後も私たちは、国や地方自治体、市町村、他団体、企業の皆様と協力・協調・協働し、水辺からゴミをなくし、健康的な魚の泳ぐ霞ヶ浦の構築を目指して活動して参ります。
改めまして、ご協賛、ご後援、ご賛助いただきました皆様に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも、皆様のさらなるご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。
通常ですと、ここまでで「53 Pick Up!」は終了なのですが。
今回は、皆さんが回収したゴミが、その後どのように処理されるのかについて、「53 Pick Up!」の翌日にゴミ処理を請け負っていただいている高橋商事株式会社様をお伺いし、見学してまいりましたので、こちらに報告させていただきます。
皆様が回収したゴミは、高橋商事様にてリサイクルのための処理が行われ、以下の3つに分類されます。
・鉄
・非鉄金属(アルミニウムや銅、真鍮など)
・ゴミ
鉄、非鉄金属は金属資源としてリサイクルに回され、新たな資源のストーリーを歩むことになります。ゴミの一部は火力発電の燃料として活用され、すなわち電力エネルギーとして私たちの日常生活に役立てられています。
ご覧いただいてわかる通り、「53 Pick Up!」の活動は霞ヶ浦をきれいにするだけでなく、サステナブルな未来を作る循環の一部として、地球を救う活動なのです。
参加された皆様、ご協力くださった皆様は、ぜひ誇っていただきたいと思います。そして、ぜひ周りの皆様へ伝えてあげてくださいませ。
次回、第57回霞ヶ浦クリーン大作戦「53 Pick Up!・秋の陣」は11月9日に開催予定です。再び皆様と共に、秋空の下で清掃活動ができればと思います。
報告文責:霞ヶ浦53実行委員 西嶋武寛
特定非営利活動法人 水辺基盤協会 霞ヶ浦53実行委員会
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